U12のうちに海外のテニス環境に触れて、多様性のあるテニスを構築しよう!!


どのようなタイミングで海外に出ていけばいいのだろうか?

テニスで海外に飛び出すことで得られるものは、世界との距離を感じられることです。世界と比べられることです。テニスやサッカーなどオープンスキルに色合いが濃いスポーツにはどうしても必要になってくることだと思います。逆に水泳や陸上など、タイムで世界を感じられる競技にはそれほど必要ないのかもしれません。以前も書きましたが、日本人の気質に合うのは、野球のイチロー選手のように、自分の中に入り込み、黙々と技術を磨いていくことだと思います。でもテニスという競技は相手とのやりとりが生じるスポーツなので、相手と直に比べる必要があります。実際、私の周りでは、現在の日本の低年齢のテニスのレベルがとても高いと言われていますが、それは世界の同年代と比べてそうなのか?それともあくまで過去の日本人と比べてそいうなのか?というのは大切なポイントだと思います。ではどのようなタイミングで比べていけばいいのでしょうか?年代別に考えてみます。

U12でプレイスタイルは作られる

私の指導経験上、その選手のプレイスタイルはU12の頃である程度固定されてしまいます。奈良くるみ選手は、U12の頃から今と同じスタイルでした。プレイスタイルは、試合に出て少し勝ち始めると固定化し始めます。なのでこの時期までに多様なテニスに触れておくことが重要だと思います。この時期にチャンピオンになる必要はないのですが、学んでおくべきことはたくさんあると思います。そのため、テニスヨーロッパではU12のカテゴリーには一番下のカテゴリー3しかありません。U12で一番を決める必要がないということを仕組みとして具現化しています。この本では、サッカーのブラジルでも低年齢では地区のチャンピオンまでしか決めないという風に書かれています。理由はヨーロッパのテニスと同じです。

ですからU12の頃から海外のテニス環境に触れておくことは大切だと思います。それほどどっぷり浸かる必要はなくても、年に一回や二回、比べておくことが必要かと思います。できれば普段指導してもらっているコーチに見てもらった方がいいと思います。

U14ではフィジカルの差が出てくる

U14くらいからフィジカルの差がさらに出てきます。それをテクニックとパワーで対抗していかなければなりません。日本には優れたトレーナーさんがたくさんいますから、フィジカルを作り上げながら海外と比較していくことが理想だと思います。

U16は戦略的な活動を。

世界と比較していくなら、ITFジュニアに的を絞るのか?それとも一般の部にチャレンジするのか?という選択があります。お金に余裕があれば、ITFジュニアを回って良い経験を積んでいけば良いと思います。ですが、ポイントランキングで上位に行くためには、年間にかなりの大会数をこなさなければなりません。しかも1年だけではなかなかランキングは上がらないので、複数年チャレンジするとなるとかなりのお金がかかります。とすると、高校生くらいから一般の部にチャレンジしていくという方法もあります。必要なのは、国内ランキングになりますから海外遠征に比べると割安になります。

日本人の本質は変わらない。

海外に行って比べることで、自分の中に入っていく感覚をさらに高める。または自分の中に入っていく感覚を変えていくことにつながります。私もそうでしたが、初めて海外に行った時は、『外人すげ〜!ボール重い!』で終わってしまい、俺もあんな重いボールを打てないといけないんだ!って思って染まって終わりです。それではいけません。もともとのフィジカルが違うので同じようなテニスは出来ません。海外に数回行っているうちに、通用するようになるには、何が必要なのか?自分が持っているものを踏まえて考えるようになります。自分の中に入って行って磨き上げるベクトルさえ合えば、国内にいてもテニスを磨き上げることができます。そのために必要なことは指導者も海外に出ていくことでしょう。

ニュープロジェクト!!

私のプランの第一号としてこの夏から日本人コーチがスペインで働き始めます。海外で現地の日本人ではなく、外国人を教えるコーチとして活躍させることが私の目的です。いずれこのブログで紹介しますね。試用期間2ヶ月で、認めてもらえたらさらに10ヶ月働かせてもらえます。彼のような指導者が増えて、どんどん進化する世界のテニスに対してついていけるようになれば理想だと思います。繰り返しますが、日本人の良さは、自分の中に入って黙々と磨き上げることです。その努力のベクトルが合えば可能性は広がります。そのためには、海外に行って比べることが必要です。選手も指導者もです。

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